99年12月の地平線報告会レポート

●地平線通信242より

報告会レポート・242
さよなら千年紀特別企画!!
チベット秘蔵記録

千年紀さよならオークション
ケルサン・タウア+参加者全員
1999.12.22(水) アジア会館

◆千年紀最後の記念すべき報告会にふさわしく、いつもとは違った形で12月22 日に開かれた報告会。中国併合前のチベット王国の未公開記録映画の上映と、世界中を駆け回る地平線の面々が出品する恒例の地平線オークションというゴージャスな二部構成となりました。

◆第1部は時は第二次世界大戦前、鎖国中のチベット王国の超レアな記録映画の上映。在日チベット人ケルサン・タウア氏がバブル絶頂期にドイツ旅行中に偶然、1938年から39年頃のチベットをドイツ人探検隊が取材した16mmフィルムの記録映画を発見。自民族の文化を守るためにぜひとも必要と考えたケルサン氏は100万円相当の身銭を切って即座に購入しました。4部構成の16mmフィルムをビデオテープにコピーしたものを、ケルサン氏と地平線会議の世話人でチベット通の江本嘉伸氏の解説付で披露されました。音声が無かったのは残念でしたが、AD修行半年の若輩者の私からみても、フェードイン、フェードアウトなどフィルムではなかなか高度な編集技術が駆使された、構成内容、映像などもかなりハイクオリティな記録映画でありました。

今日のラサではかなり漢人文化が浸透していますが、映像では、牧畜・農耕や仏教寺院での僧侶・巡礼者など、当時のチベット民族のオリジナリティとバイタリティあふれる生活文化の鼓動が活き活きと脈打っているようでした。大秘境の探検を強調した高山地帯や沙漠を進むドイツ隊の姿には、演出のいじましさすら感じてしまいましたが、対照的に、悠然と暮らしているチベットの人々の朗らかさが民族的なたくましさを醸し出していました。これはぜひまた見せていただきたいと思います。

◆第2部は、世界各地から地平線会議の面々が持ち帰ってきた“お宝”と旅の体験談が飛び交う、久々の地平線オークション。関野吉晴氏のグレートジャーニーで使用したアウトドアウェア、恵谷治氏の北朝鮮グッズ、故斉藤実氏の愛用オリジナルステッキ・渓流竿、熟女風来坊金井重さんのオリジナル額縁付色紙、スターナヴィゲーションの石川直樹氏のミクロネシアふんどしなど、面白お洒落なお土産の数々が後世に語り継ぎたい旅のエピソードと共に厳選40点出品されました。この日の売上総額66,400円。貴重な品々を出していただいた皆様、お買い上げいただいた皆様に感謝感激でございます。

◆昨今の不況のせいか、プレY2K問題で参加者の金銭感覚が崩壊していたせいか、はたまた次に何が出てくるかわからないスリルのせいか、はじめのうちはなかなか人々の財布の紐が固く、せっかく用意した地平線小切手も使われる事なく、世界中でもこんな絶品がお目にかかれるのはこの日しかないのよ!! というような貴重品がまるでガレージセールの中古品のような値段で落札されていくのには、貧乏人の私にははがゆいばかり。まぁ、これも地平線らしいところなのですが。

◆この日は地平線報告会初参加の方や久々の方も多く、二千年紀を迎えた今年の地平線会議の新たな展開への起動力が増したという期待も感じられました。次回1月29日の山形で行われる地平線オークション後半戦にも、まだまだ貴重な品とエピソードがたくさん出てきます。世界でたった一つのお宝が手に入る今世紀最初で最後の大チャンスですよ。胸を希望で、財布はお金でふくらませて、山形に行かなくちゃ!ダワ。[山本千夏]


地平線オークション(前半)
出品者/品名 全リスト(出品順、敬称略)

以上、40件、売上総額66,400円でした。ご協力ありがとうございました。なお、時間切れでオークションにかけられなかった品物も多数ありましたが、今月の山形報告会で後半戦を実施しますので、お楽しみに。


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