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三輪 主彦(みわ かずひこ) 都立竹早高校教諭 日本ウルトラランニングクラブ所属 地平線会議世話人 |
世の中にはとんでもないことを考える人がいるもので、24時間以内で奥多摩全山を走り回ろうというレースが一昨年から行われている。主催者は日本山岳協会と東京都山岳連盟で、正式の名称は次のとおりである。1.期日 平成7年10月7・8日(土・日)雨天決行
2.コース 奥多摩全山(71.5km)
五日市庁舎前〜今熊神社〜市道山(795m)〜醍醐丸
〜生藤山(990m)〜土俵山(1005m)〜笹尾根〜
三頭山(1527m)〜大岳山(1266m)〜御岳神社(929m)
〜今比羅尾根〜五日市庁舎
3.第一関門、第二関門、第三関門に制限時間をもうけ、
これを越えた選手は、レースを中止し役員の指示にしたがって
下山して下さい。
(1)第一関門は浅間峠、制限時間はスタート10時間後、午前3時
(2)第二関門は月夜見山駐車場、15時間後、午前8時
(3)第三関門は長尾平、21時間後、午後2時
4.水場は5か所、主催者は月夜見駐車場のみ補給します。あとは自然水
定められた水場以外で水補給を受けた選手は失格
5.携帯装備(受け付けでチェックがある)
水2リットル以上
雨具、行動食、ヘッドランプ(予備電池、電球)
防寒具
6.夜間走行になるので、コースには赤い点滅灯とテープで表示いたし
ますので、夜間でも安心して競技が続けられます。テープは手で
握るなどして切断しないで下さい。
さらに後から送られてきた注意書きには
「参加者の皆さんは山岳あるいはロードにおいて十分な練習を重ねておられることと存じますが、この耐久レースは距離の長さはもとより、全コースが標高1000m〜1500mの山岳地帯を舞台に昼夜にわたり行われる、他に類を見ない過酷なレースです。いったん事故が発生すると、病院に到着し医師の診断を受けるまでに数時間を要することになります。どうかセイフティランに心がけてください」
そのうえ、さらに念入りに
<危険と思われる個所>
(1)鞘口峠から風張峠への途中で巻き道が崩れている。
(2)御前山から大ダワに下る途中の丸木橋が朽ちている。
(3)大岳山直下、大岳山荘への下りの岩場
ここまで読むとたいていの人はおじけづくものだが、だれも参加を取りやめたものはいないようだ。
浅間峠から小綱峠まで一時間、西原峠までさらに一時間、そこから三頭山まで一時間というのが試走の時の時間だ。そのときは快適に走れたのだが、今日は暗い上に雨まで降っている。しかし道は整備されているので、試走と同じ時間で西原峠についた。西原は「さいはら」と読む。
あと5kmの表示が出てくると、元気を回復した若者が急に走り出し、あっと言う間に見えなくなってしまう。せっかく70番台になったのに、と思っていると前に2人の姿が見える。あれを追い越せばまた70番台になる。
表彰式も終わり、役員たちも机をかたづけはじめた。周りにはほとんど人がいなくなった。しかし雨の中まだ山の中を走って(歩いて)いる選手が数十人いるはずだ。|
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