今月の地平線報告会

2005年2月23日(水)

1979年9月の第1回から数えて、今回が通算307回目の
地平線報告会となります。


 2月の地平線報告会(通算307回になります)は、23日(水)18時30分から(金曜日ではなく水曜日です)。今月は、会場がいつもの榎町地域センターではなく、以前使っていた牛込箪笥区民センターに変更になっていますので、ご注意ください。

報告者は、東大大学院の田口洋美さん。マタギ・サミットを16回も開いてきた、山と山びとと動物を知る異色の学者です。「東北アジアの森の民」のテーマで279回地平線報告会(02年12月)に登場して頂いていますが、今回は、日本の山里に出没している野生がテーマです。

昨年12月10日、環境省はいわゆる「緑の国勢調査」のうち「中大型哺乳類調査(種の多様性調査)」をまとめ発表しました。日本の自然環境の現況をとらえる目的で1973年から5年ごとに実施している調査で、今回の対象期間は1999〜2004年の5年。「中大型哺乳類」とは、ニホンジカ、カモシカ、ニホンザル、ツキノワグマ・ヒグマ、イノシシ、キツネ、タヌキの7種。そのすべての対象種で分布域が拡大しているそうです。

一体、日本の山に何が起きているのか、私たちはクマたちの出没をどう受けとめるべきなのか、などについて現場での豊かなフィールド調査から語ってもらいます。3月以降、田口さんに時間がとれなくなるかもしれないので、急遽お願いしました。[江本嘉伸]

☆田口洋美(たぐちひろみ)
狩猟文化研究所代表
ブナと林と狩人の会、MATAGI-SUMMIT 幹事
周防猿まわしの会 研究員

■主な著書
山に生かされた日々
越後三面山人記
おんな猿まわしの記
罠の構造に見られる地域性
縄文式生活構造
ロシア狩猟文化誌 など

以下は地平線通信303号に掲載された案内(絵と文:長野亮之介)です。



地平線通信裏表紙

野生の事情

2月23日(水曜日) 18:30〜21:00
 ¥500
 於:新宿区牛込箪笥区民センター(03-3260-3677)


昨秋は各地でクマやサルの多発出没が話題になりました。なぜでしょう? 頭数が増えたから? 奥山の木の実が不作だったから? 「ヒトが野生動物と関りを持たなくなったからだよ」というのは、狩猟文化研究所主宰、東大大学院生の田口洋美さん。「歩き屋」と自称するフィールドワーカーです。

「農業は野生動物の土地を奪う営み。耕作地のある人里にクマやサルが出るのは当然です。ヒトとケモノが出会う最前線に、かついては狩猟文化があった。ところが山里の過疎化と共に猟師も激減。'70年代に50万人いたのが、今は15万人です」。農地が拡大しても、動物の頭数コントロールを担っていた狩猟人口が減って……という図式が浮かびあがってきます。

民家に入り込んでエサをあさるクマの姿は、「食」と「自然」があまりにも離れてしまった我々ヒトの姿の逆像なのかもしれない。今月は田口さんに日本の野生動物の現状についてお話しして頂きます。必聴必見。



地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえな い、世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、1979年9月から毎月欠かさず開催されています。どうぞ気軽に参加してみてください。予約などはいっさい不要です。いきなり会場にお越し ください。ただし、会場の定員を越えてしまった場合には、入場をお断わり することもあります。ご承知おきください。



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