The Chiheisen News 2006-14

■河田真智子さん、『お母さんは、ここにいるよ』を上梓
夏帆ちゃんとの19年を写真と文章で綴った本。毎日新聞社から
島を愛する人たちの「ぐるーぷ・あいらんだあ」で活躍する河田真智子さんが、『お母さんは、ここにいるよ−−脳障害児・夏帆と過ごす日々から』を出版しました。手に取るとコンパクトであまり厚くないし(本文142ページ)、写真もたくさんあって活字も大きく、気楽に読めそうな気がしてきますが、読み進むうちに、河田さんと夏帆ちゃんが過ごした19年間の重みがじわじわと感じられてきて、深く豊かな世界に引き込まれます。後半の文章の説得力も際立っていますが、前半の写真に添えられた詩的な短文に、心揺さぶられました。失礼な言い方かもしれませんが、文学的な感動が湧いてきます。何度も繰り返し読み直したい本です。

以下は、河田さんが地平線通信323号(06年10月号)に寄せてくれた一文です。

 『お母さんは、ここにいるよ』表紙地平線会議のみなさん、こんにちは。河田真智子です。ニコンサロンでの写真展『生きる喜び──脳障害児の16年』に地平線のメンバーの方がたくさん見にきてくださったのは、もう2年半前のことです(懐かしいなあ)。夏帆は19歳になり、高校を卒業して、近くの通所施設に通い始めています。「元気!です」もうすぐ本ができます。障害児が生きてきた「ありのまま」を伝え、そして、私同様に試行錯誤をしながら障害児を育てているお母さんたちの役に立つ本を作りたいと思いました。このテーマに取り組んで5年位たちます。やっと、宿題ができました! 以下のような本ができました。

『お母さんは、ここにいるよ−−脳障害児・夏帆と過ごす日々から』
2006年10月25日 毎日新聞社刊 1300円(税込)

 前半は夏帆の19年間の写真物語り、後半は障害をもつ子のためのノウハウです。「病気の告知」「主治医との上手なつきあい方」「身内の理解」「お母さんの息抜き」「医療費」「制度を使う」「医療的ケア」「旅、好きなことをあきらめない」などのテーマを取り上げました。さらに「差別」や、「宗教」「自殺」というテーマも入れたので難しく、最後の最後には「江本藁」にすがり、原稿を読んでいただいたりしたのでした。江本さん、ありがとうございます。この本を必要とする人がまわりにいたら、ご紹介いただきたいとお願いいたします。(10月11日 河田真智子)


河田さんのウェブサイト:http://www12.ocn.ne.jp/~match/



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