The Chiheisen News 99-06



■法大探検部、大部の密林遺跡調査報告書を出版。
A4判全274ページの「スリランカ・ルフナ地方の密林遺跡」。図版多数で英文も併記。

報告書表紙法政大学探検部と聞けば、すぐに「スリランカの遺跡調査」と連想してしまうほど、われわれにとってもおなじみの活動となっていますが、その第5次隊(1985)と第6次隊(1993)の成果が、A4判全274ページにおよぶ大部の報告書となってまとまりました。

タイトルは「スリランカ・ルフナ地方の密林遺跡」。「RUINS OF THE ANCIENT RUHUNA CIVILIZATION --- in the jungle of Kumbukkan Oya Basin --- SRI LANKA」という、英語のタイトルが大きく表紙にあしらわれていることかからもわかるように、ほとんどのページが日本語と英語の併記になっているのが、すごいところ。写真や地図、スケッチなどの図版類も満載で、学術資料としてひじょうに価値の高いものになっていると思います。編集の手間を考えると、刊行にこぎつけるまでこれだけ時間がかかってしまったのも、当然ですね。

巻頭には、これまでの探査・調査活動の総括や地域の自然や歴史・文化の概要、この第5次隊・第6次隊の位置づけなどがコンパクトにまとめられ、この地方に興味をもつ人にとっては、格好のガイドとなっています。また巻末には「隊務報告・資料編」として、各隊の行動記録(日誌)をはじめ、装備・食糧・医療・会計の報告や、測量などの実践方法の解説も掲載されていて、これから海外遠征をめざす隊にとっても、とても参考になることでしょう。

報告書中身レジャー志向の強い大学探検部が増えているなか、ここまで硬派な活動を実践しているところがあるということを再確認させられて、頭をガツンと殴られるような衝撃を受けました。水不足や害虫に苦しみながらも、伝説の遺跡を求めて深い密林をかきわけていく。未知を探るロマンと、それを実現するためのクールな科学的な姿勢のバランスがうまくとれていて、オーソドックスな“探検”って、やっぱりいいもんなんだなあと、うらやましく思えてくるほど。それをやれるのも、伝統の力なんでしょうね。

問い合わせや申し込みは、OBのさんまで。頒布価格は3000円。限定500部のみの出版だそうです。


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