The Chiheisen News 99-15



■農大探検部隊、ふたたびメコン源流部へ
未踏のメコン川源流(扎曲・扎阿曲)の航行踏査。8/6〜10/14の70日間。


東京農大探検部が、メコン上流の踏査に出発しました。予定では8月6日から行動開始となっています。6月の地平線報告会の席で、隊長の北村君から計画書をもらいましたが、なかなか紹介する機会がありませんでした。以下計画書の冒頭部分で、OCRソフトで読み込んだものです。農大の伝統を感じさせます。

北村君によると、今回はあまり川下りの経験のないメンバーが混じっているので、最初はトレーニングを兼ねてじっくりと下りたいとのこと。農大は報告書もきちんと出すなど、オーソドックスな探検を常にめざしています。こういう点は、「怪しい探検隊」のノリが主流の他の探検部とは大きくちがうところ。頑張ってほしいですね。


1. 計画趣旨

 計画書表紙 東京農業大学農友会探検部、同探検部OB会は1961年の創立以来、国内外を問わず数多くの活動を行って参りました。我々の専門分野である農業調査はもとより、登山、河川調査、洞窟探検等幅広くその足跡を世界各地に残してきました。
 河川調査ではアムール川源流、長江源流、ガンジス川等のアジアの大河はもとより、南米大陸水上縦断やパン・アフリカ河川行(継続中)などを行って参りました。また中国国内においては長江源流、岷江、珠江などの航行やメコン川源頭探検を長年の付き合いになる中国科学院と共同で行い成功させてきました。

 メコン川は、東南アジア最大の河川であるだけでなく、流域で生活を営む人々にとっては「生命の水」であります。そのメコン川は中国国内では瀾滄江と呼ばれ、東チベットにある昌都から上流を扎曲、さらに上流部では扎阿曲と名を変えます。今回我々のフィールドとなる扎阿曲、扎曲は、青蔵高原の南東部に位置し、標高5000〜3500mの高地であり、夏とはいえ寒暖の差が激しく、時にはブリザードや突風が吹き付けることも珍しくありません。このような厳しい環境にもかかわらず高原には遊牧の世界が広がり、メコンの水を利用して生活を営んでいます。

 メコン川源流域には今まで中国の科学者、探検家さえもほとんど入域しておらず、文献資料に関しましてもその多くは昌都から下流域に関するものがほとんどです。特に扎曲は山岳地帯を貫流しているためアプローチの困難な未踏のゴルジュ地帯が多数あり、今後も未探査の地域として残り得るフィールドの一つであります。そこで今回、私達は馬・ヤクなどで地理的源頭付近までキャラバンを行い、そこから航行を開始し、未踏のゴルジュ地帯を踏査しながら、昌都までの約560kmの航行を行います.
 また、近年世界各地で地球環境の変動が見られておりますが、未だあまり調査が行われていないメコン川源流域での影響を知るために必要な、水量・水質・植生・地質等、各種の基礎データを収集する予定であります。
 つきましては関係各位の御理解、御協力の程よろしくお願い致します。

メコン川源流域航行踏査 日本側隊長  北村 昌之



2. 目的

・未踏のメコン川源流(扎曲・扎阿曲)の航行踏査
・メコン川源流域における包括的基礎データの収集



3. 期間及び場所

・期間 1999年8月6日〜10月14日迄の70日間(15日間の予備日含む)
      ※扎河までの準備及び移動期間の進行状況により活動終了日を
       延長する可能性あり。
      ※予備日は扎河〜昌都間のみ使用する。(キャラバン及び航行
       区間)
・場所 中華人民共和国 青海省玉樹蔵族自治州、西蔵自治区地区
      瀾滄江(lancang jiang)上流域
         【扎曲(za qu)・扎阿曲(za ya qu)】



4. 地域概要

(略)


5. 隊員構成

〈日本側隊員〉(住所・ローマ字表記・血液型などは略)
隊長      北村昌之(東京農業大学農友会探検部監督 31期OB)
副隊長     青木亮輔(37期OB)
会計      藤森和則(24期OB)
医療      山本礼(38期OG)
一般装備/記録 内田洋介(造園学科3年)
航行装備    桃井尊央(林学科3年)

〈中国側隊員〉
隊長      呉 建勝(中国科学院科学国際旅行社)
        その他 隊員2名 通訳1名 ヤク・馬方6名 源流案内人1名

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