■新井 由己 ARAI Yoshimi 4

●ラオスのクイティオ工場(1997年4月3日)
 ラオス第2の都市・ルアンパパンの郊外をレンタバイクで走っているときに、すだれで干された白い皮を見かけた。タイで見た春巻の皮にしては、サイズが大きくて作りも雑である。すだれを運んでいる少女についていき、道路の反対の工場を見学させてもらった。
 蒸し器の構造はほぼ同じで、片方でネタを乗せながら、片方で蒸している。春巻の皮と比べると厚みもあり、均質に仕上げている感じもない。不思議に思って尋ねたら、それが「フー」の麺であることを教えてもらった。フーとはタイでいう「クイティオ」のことで、米の粉で作られた麺類のことだ。
 天日で干されたクイティオの皮は、まだ少し柔らかいうちに、麺の幅に溝が入った機械に入れられ、一気にカットされる。

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写真展
地平線発

04-01…1997年4月3日/ラオス:ルアンパパン郊外

タイの春巻の皮の干し方とまったく同じ方法で干されている。違うのは、すだれの幅が少し大きい点と、1枚のすだれに5枚の皮を乗せている点だ。すだれを運んでいたのは、12歳ぐらいの女の子。体がすっかり隠れてしまい、すだれが宙を飛んでいるように移動してくる。作業場ではおねえさんとおかあさんが交代で作業を行なっていた。


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04-02…1997年4月3日/ラオス:ルアンパパン郊外

蒸し器の燃料は薪。タイではココナッツミルクが大量に消費されるためか、ヤシの実の殻を燃料に使っていた。皮の厚みがあって蒸す時間が長いので、ここでは蒸してからすだれに乗せるまでをひとりでやっている。細い木の棒を使ってくるくる重ねて巻き取っていたが、くっつくことはないようだった。