日本列島そのものを含め、地球上を歩き歩きまわる日本人が、いまほど積極的、かつ広範囲にその軌跡を描いている時代は、なかったでしょう。たとえば、352万人。昨年1年間に海外へ飛び出した、日本人の数です。渡航が自由化された39年当時、12万人であったことを考えると、これは、大きな変化であると言えると思います。 一つのエクスペディション、一つの冒険の旅を出すために、しばしば何年がかりの手続きを必要とした十数年前までと違い、人々はかろやかに島国から飛び出していきます。パッケージ旅行で何かを発見する人、極地に住みついたまま帰っていない人、ラクダの背で砂漠を横断する人、いかだやカヌーで大河を下る人……。思い思いの発想と目的で、ユニークな地球体験の時代がこの日本にはしまっていると、われわれは考えます。
そうした状況を背景に、「地平線会議」という名の運動体を発足させました。日本人の探検、冒険、手作りの地球体験をできるだけ知り、可能ならばその行動の軌跡を記録にとどめておく。そして、関心のある多くの人々のコミュニケートをうながし、これから飛び出そうとする人たちに何かを還元してゆきたい。それが大ざっぱに言った発足の趣旨です。いろいろなことをしたい、と考えていますが、何よりも運動を展開するわれわれ自身、何かを学ぶ場所にしたいと思っています。
具体的活動として、次のようなプロジェクトをすでに発足させました。
その他地平線新聞の発行など、さまざまなことを考えています。
とは言っても、活動を長続きさせてゆくためには、多くの方の協力が必要です。
趣旨に賛同し、一緒に動いてくれる方、あるいは、情報を寄せてくれる人の連絡を待っています。連絡先は、当面左記の6人。
伊藤幸司/江本嘉伸/岡村隆/賀曽利隆/宮本千晴/森田靖郎
会議運営委員として、地平線会議では、ひとり1万円のカンパを受け付けております。協力して下さる方は、是非お願い致します。
口座は、富士銀行四谷支店 85963x。連絡のうえ、振り込んで下さるか、世話人に渡して下さい。
1979年11月20日 地平線会議 〒183 東京都府中市新町X-X-XX 宮本千晴方(この下に、79年11月20日現在の40名の世話人の名前が並んでいます)
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